証拠

所詮私はいつまでも私であり、目に何を入れても白粉をはたいても髪を切っても染めても私である限り何も変わらなくて、

そういうことを介さないと誰も構ってくれないと思い込んでいる。クラスメイトの男の子も、私がそういう女の子であるから興味を示すだけで、私が密かに愛おしさを感じる人々も、結局はそういうことを介さなければ私に興味なんて示さないのだろうと思い込んでいる。
だから電子機器でのやりとりや同じ空気を共有しない時間が長く続けば続く程に不安で、早く早く私の存在を価値をわずかであれ相手の体に染み込ませなければいけないと恐ろしくて堪らなくなる。

早く早く私で満たさなければ私は消えてしまう。満たしてもまたすぐに消えそうになる。だってそこらじゅうに私がいるから。みんな同じ穴を持ってほっつきあるいて、一番上の皮だけしか違わない。
早く早く存在をしめして繰り返し繰り返しそうしなければわたしはすぐにいなくなる。